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take a breather

第13章 Monster

ガラス製のぐい呑を持ち
ソファーに座るカレに尋ねる

「これくらいで大丈夫?」

カレは振り返りこちらを確認すると『うん』と頷いた

グラスと針と消毒用のアルコールとタオルを手にカレの所へ戻る

「これで二の腕をキツ〜く縛って貰える?」

カレにタオル渡し、シャツの袖を捲った

「キツくていいの?」

「うん、なるべくキツくお願い」

「わかった…」

左腕を差し出すとカレが少しだけ近付き
タオルを巻く

それだけなのに何故かソワソワしてしまう

ほんとどうしたんだろ?俺…

この異様な出来事に心臓が勝手に反応してる?

「はい、これでいい?」

カレが顔を上げると俺がカレを見ていたせいで
さっきよりも近い距離でカレと見つめ合ってしまった

瞬時に熱くなる顔…

「あ、うんっ…だ、大丈夫…」

「あれ?具合悪い?
顔あかいけど…熱でもある?」

「ないないっ!俺暑がりだからっ!
気にしないで!」

「そっか」

「すぐ抜くから待ってて」

針を袋から出しテーブルに置く
アルコールで腕を消毒し針に付いてるキャップを外す

「そのグラス持ってくれる?
針刺したら血液が流れて来るからそれで受け止めて」

「オッケー」

カレがグラスを持ち準備が整うと針を腕に刺し、腕に巻いたタオルを外す

トロトロと流れ出す血液…

グラスの半分を超えた所で針を抜く

「それぐらいでいいかな?」

「うん、十分!ありがとね」

「いえいえ…で?それ本当に飲むの?」

「飲むよ?その為に抜いて貰ったんだから」

「そうなんだ…」

カレの言うことを信じていない訳じゃないけど
よくよく考えてみるとやっぱり可笑しな状況だよね?

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