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あの夢はなんだったんだろう…

リアル過ぎてあれからあの時の思いが忘れられない…

智くんとの不思議な出逢い…不思議な夢…

そして不思議な生活…

智くんへの血液の提供は
元々食べなくても生きていられる、ということだから
一日一回、しかもほんの数滴をトマトジュースに混ぜて出している

それでも智くんはお腹的には満たされるみたいなんだけど…

たまぁ〜に言われるんだよね
『直接吸いたいなぁ〜』って

本で調べたんだけど
吸血鬼に噛まれるとその人も吸血鬼になっちゃうんだ

吸血鬼になると不老不死になる

そりゃね、健康で長生きはしたいよ？

でもさ、限度があるでしょ…

何百年も生きていくなんて、どうやって時を過ごせばいいんだ？

やりたいことだってやり尽くしちゃうよ

この前、智くんに聞いたんだ

これまで智くんは何年生きて何をして生きて来たのか…

その答えは
『ん〜、軽く100年は超えてるけど
何年生きてたかは もう覚えてない…
でも どうしても見つけたいモノがあったから、それを探し続けてた』

って、笑って言った

『探し続けてた』…完了形

『探し物は見つかったの？』

『うん、ちょっと前に見つけた』

『じゃあこれからはどうするの？』

永遠に生き続けなきゃ行けないのに…
目的がなくなったらどうやって時を過ごす？

『まだわかんね…
吸血鬼ってさ、永遠の命って言うけど
死ぬ方法は無くはないから…』

それも本には書いてあった…

死ぬことも考えてるって事？

探し物が見つかったから？

たったひとつの探し物の為に
おそらく何百年もひとりで生きて来た智くん…

そんな人生は辛くなかった？

死を選ぶ事も考える程、探していた物を見つけた達成感は大きかった？