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take a breather

第13章 Monster

家に帰り着くと早速風呂に入りパジャマに着替えた智くん

「うんっ、やっぱりその色にして正解
よく似合ってるよ」

少し照れたように鼻の頭を指で掻く智くん

「あんがと…
なぁ、翔も風呂入って着替えてよ
翔が着てる姿も見たい」

「う、ん…じゃあ行ってくる」

恥ずかしいから今日は着なくてもいいかな、って思ってたんだけど

智くんが着てる姿見たら
着てみてもいいかな、って…

なんだろ…恥ずかしいのに、ちょっと嬉しいような…

なんでこんな気持ちになってるのかわからないんだけど

智くんに喜んで貰えるならそれをしてあげたいって思ったんだ

風呂から上がり、赤いパジャマに袖を通す

ちゃんと似合ってる?
智くん、がっかりしない?

鏡を見て確認…大丈夫、かな?

そろっとリビングに戻ったけど
すぐに智くんと目が合っちゃった

「お?翔も似合ってるじゃん、その色」

「ほんと?大丈夫?赤なんてあまり着慣れない色だから正直ちょっと心配だった」

「よく似合ってるよ、可愛い」

笑顔で言われドキッとした

「か、可愛いは表現が違うよっ」

「違くないよ、可愛いであってるよ」

智くんは俺の所に来ると手を取り
部屋に置いてある姿見の鏡の前に連れて行く

ふたりで並んだ姿が鏡に写る

「ほら、こうやって見るとおいら達夫婦(めおと)みたいじゃん」

「めっ、夫婦⁈
いや、でも、ほら…俺、男、だし…」

「あ、そっか…男同士の場合、なんて言うんだ?」

「し、知らない…今時だとパートナー、とかかな」

「そっか…じゃあパートナーで」

何が『パートナーで』なんだよ
冗談で言ってるんだろうけど
どう返していいのかわからない

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