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「で？相手は誰？
結婚でもしてるの？
翔ちゃんが『報われない』と思ってる相手は」

ニノは俺が『報われない恋』をしてると決めつけ話を進める

「そんなんじゃないよ、きっと…
実際いる人じゃないし」

「えっ⁈何、翔ちゃん
今時の流行りの2次元相手の恋ってやつしてるの？」

「2次元…なのかな…」

夢の中は2次元って言うのか？
ポツリと呟くとニノは真剣な表情をして俺を見つめる

「話してみなって…
リアル主義の翔ちゃんが悩むくらい不可解な事が起きてるんでしょ？
実際いるかわからない人を好きになるなんてさ」

智くんが吸血鬼だって事を抜かせば話しても大丈夫だよな

ニノならわかるかもしれない
なんで俺があんな夢を見るのかを…

「あのね、俺…人を拾ったんだ…」

「……はっ⁈」

ニノは目を大きく見開き絶句した

そこから この1ヶ月の智くんとの生活と
恥ずかしながら夢で智くんそっくりなサトシに抱かれた事まで話した

「ん〜…それって翔ちゃんの願望なんじゃない？」

「俺が男に抱かれたがってるって？
そんな事、考えた事もないよ」

「深層心理、ってやつだよ
本人は気が付いてないけど
心の奥底に眠ってる思い…」

心の奥底…

「今だから言うけどさ
学生の頃、翔ちゃんってソッチの気があるのかなって思ったこと何度かあるんだよね
たまになんだけど憂いのある表情する時があって…
その表情がやたらと艶があるんだ
実際、翔ちゃんの事狙ってた野郎もいたし」

「嘘だろ？」

「ほんとだよ…周りはアピールしてたもん
ただ翔ちゃん自身にその気が無かったから気が付かなかったんでしょ？」

その当時はそんな事 意識してる余裕は無かった
医者になる夢を必死に追ってたから