テキストサイズ

take a breather

第14章 Find the answer

「今までみたいに会えなくていいの?
大野さんのことだから本当に放浪の旅に出かけちゃうかもよ?
海の上になんか行かれたら連絡すら取れなくなる
心配じゃないの?」

「ははっ、心配なんて常にしてるよ
番組収録中に居眠りしやしないかと
いつもヒヤヒヤしてる」

笑いながら冗談めかして話すこの人に少し苛立ちを感じる

嵐結成の時には一緒に社長宅に乗り込んだ仲なのに
本心を見せてくれないことが悔しい…

そんな俺の空気を読み取ったのか
翔ちゃんが苦笑した

「ごめん、ニノ…
お前が本気で心配してくれてるのはわかってるんだけど
でも俺、智くんとどうこうなりたいとかないから…」

「なんで⁈好きなんでしょ?
もう何年も前から」

「…好きだよ
好きだけど、俺には手に負えない相手だから」

大野さんを想ってなのか、優しい微笑みを浮かべてる

やっと本心を聞かせてくれたけど『手に負えない』って

「どこがよ?
俺としては翔ちゃんほどあの人のこと上手く扱える人いないと思うけど?」

話を振るタイミングなんてドンピシャで
いつも美味しい所を大野さんが持っていく

「ニノだって上手いだろ?」

「俺の場合はイジってるだけ…
大野さん自身に面白いこと言わせてる訳じゃないよ」

「それでも智くんは俺といるよりニノといる時の方が生き生きと楽しそうに見えるよ」

そりゃ声出して笑ってるのは俺といる時の方が多いよ
ちょっかい出してんだから…

でもそう言うことじゃないんだよなぁ
翔ちゃんと大野さんって…

静かな空間を好む大野さんには
声を出して笑い合う相手よりも
穏やかな微笑みを与えてくれる存在の方があってる

その事わかってないんだなぁ、翔ちゃんは…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ