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take a breather

第14章 Find the answer

俺がモヤモヤし出したのはこの頃だろうか…

メンバーふたり、もしくは全員で集まり
何度も話し合いの場が持たれた

俺以外のメンバー同士が集まり話したりもした

それは俺の耳にも入ってたし
隠れてコソコソって事ではなかった

俺の為に申し訳ないなぁ、って思いながらも
メンバーの愛をひしひしと感じてた

あるひとりを除いては…

それが俺のモヤモヤの原因

そして、その原因の人物と今日はふたりで雑誌の取材

控え室のドアを開けると読んでいた新聞から顔を上げ
爽やかな笑顔で挨拶をくれる

「おはよ、智くん」

「はよ…相変わらず早いな」

「そう言う智くんだって早いんじゃない?」

翔くんが腕時計を見て時間を確認する

「えっ…あ…み、道が空いてたんだよっ」

「そうなんだ、ラッキーだったね」

「お、おう…」

テーブルを挟んで翔くんの向かい側の椅子に座る

俺がジーパンのポケットからスマホを取り出すと
翔くんは新聞に視線を戻した

翔くんは言わずとも俺のとる行動を先読みしてくれる

俺がスマホを取り出せば会話を打ち切ってくれるんだ

俺の事を良く見てくれてる翔くん

だからなのかな…

他のメンバーとは何度も話し合いをして
それぞれに妥協案を示してくれたのに

翔くんとは一度もふたりきりで話し合いをしなかった…

いつも翔くんには世話かけっぱなし
その上とんでもないわがままを言った俺にとうとう愛想を尽かした?

それとも『もう世話しなくて済む』なんて心の中では喜んでたりして…

『翔くんは俺のこと、どう思ってんだ?』

そう質問したくて
何度かふたりきりで話をしようとチャンスを作るんだけど
もし俺が思ってる答え通りだったら…と思うと

結局、怖くて聞くことが出来ないんだ…

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