テキストサイズ

take a breather

第14章 Find the answer

「あったかい物淹れてくるから座ってて」

無言でソファーに座る大野さん

キッチンでココアを淹れてリビングに戻り
ココアの入ったマグカップを大野さんの前に置いた

「寒かったでしょ?飲みなよ」

「ん…」

短い返事をするもののカップを手に取らない

自分のカップを一度テーブルに置き
大野さんのカップを手に取ると大野さんに手渡した

触れた手はやはり冷たく冷えていた…

「体冷えてんじゃん、飲みな」

「ん…サンキュ…」

強めに言うとお礼を言ってカップを口元に運んだ

フゥフゥと息を吹きかけひとくち啜った

「あったけぇなぁ…」

大野さんが手に持つカップを見つめる

「何があったの?何か嫌な情報が耳に入った?」

「いや…全然…
ある程度の非難は覚悟してたのに
みんな、優しいを言葉くれる」

「翔ちゃんの番組でもメッセージ募集してたけど
みんな有り難い言葉ばっかりだったね…
まぁ、気を遣ってそういうのを選んで読んでくれてるんだろうけど…」

「そうだよな…本当は怒りのメッセージとかもあるのかもな…」

「怒りとまではいかなくても休まないでとかはあるかもね」

「それ…翔くんは見るのかな…」

「見るんじゃない?ファンのみんながどう思ってるのかは知っておきたいでしょ」

「でも俺たちには言わない…」

「少なくとも大野さんには言わないと思う」

「俺が傷つくから?」

「そうだね…あの人はあなたを傷つけるようなマネしないから」

「なんでそこまでしてくれるんだ?
俺のせいでこんな状況になったのに…
翔くんもニノも『大丈夫』って笑顔で言ってくれて…
翔くんなんて本当は自分も傷ついてるのに…
傷つけたのは俺なのに…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ