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〈N's eyes〉

潤くんに声を掛けられ
相葉さんとふたりトレーニングルームから出ると
控え室の方から大野さんと翔ちゃんが歩いて来るのが見えた

翔ちゃんの少し後ろを俯き加減でついて来る大野さん

「松潤に呼ばれた？」

翔ちゃんが俺たちに向かって声を掛ける

「うん、今ここに来た」

相葉さんが答えるとふたりで並んで歩き出した

その後ろを歩く大野さんの横に並ぶ

「大野さん？具合悪い？」

「えっ⁈」

勢いよく顔を上げた大野さんの頬が紅い

「いや、顔が紅いから熱でもあるのかと思って」

「う、ううんっ…ないよっ」

慌てる様子がなんか怪しい…

「それならいいんだけど
大野さん、風邪ひきやすいから気をつけてね」

「うん…ありがと…」

「でさ…」

「ん？」

「翔ちゃんと何があった？」

ピタッと足を止めた大野さん

振り返るとさっき以上に顔が真っ赤に…

「な、な、なんでっ？
な、なにも、ないけどっ？」

思いっきり動揺してんじゃん…

ふたりが歩いてくる姿に違和感を覚え
何かあったのかとは思ったけど
こんなわかりやすく動揺するとは…

翔ちゃん、一体大野さんに何をした？

前を歩くふたりの姿が見えなくなったから
大野さんの隣に戻り歩みを促す

「行こう？遅くなるとJに怒られる」

「…う、ん」

「で？何があったのさ」

「…『休むのやめる』って言ったら
『駄目』って言われた…」

それでこの赤面？
なんだか話が複雑そうだな

「それでなんで顔を紅くしてるの？」

大野さんが躊躇いがちに口を開く

「…翔くんに…」

「翔ちゃんに？」

「…ギュッてされた…」

ギュ？

「そんなこと言い出したから頬でもつねられた？」

それで紅い？

「ちがう…体…」

「体？抱きしめられたってこと？」

益々紅くなる大野さんの頬…

あの人…意外と罪作り

大野さんがこんなになってるって
気がついてる？