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take a breather

第14章 Find the answer

〈N's eyes〉

楽屋に着くと中にいたのは大野さんだけ

翔ちゃんがいないことに違和感を感じる

昨夜そんなに飲んでないから二日酔いってことはないし
あの何重にも目覚ましをセットする翔ちゃんに限って寝坊ってこともないだろう…

「車が渋滞してるとか…」

大野さんとふたりなら、それはそれで都合がいい

大野さんに翔ちゃんへの想いを自覚してもらおう

「あのさ…」

「ん?」

その時、バタバタと騒々しいくらいの足音が聞こえた

相葉さんか?

それでもこんなに急いで走る必要もないよな

ガチャっと勢いよくドアが開くと現れたのは潤くん
足音の発生源が意外な人物な事に驚く

「おはよ、J。どうしたの?そんな慌てて」

「翔くんのマネが事故った」

「えっ⁈事故?車?」

「あぁ…今、連絡が入って
事務所の人間が翔くんの所に向かってるって」

「どれくらいの事故なの?」

「よくわかんない…電話で話したの俺付きのマネだから」

「あぁ…」

あのソースを選ぶことも出来ないマネージャーか…
それじゃあ確かな情報を得るのも難しい

「事務所の人が行けば詳しい状況がわかると思うけど
多分、翔くんは遅れる」

「だね…軽い事故なら良いけど、怪我でもしてたら…」

ライブ当日に事故に遭うなんて…

「…行かなくちゃ…」

震えた声の呟きが聞こえた

声の主である大野さんを見ると
顔は蒼ざめガタガタと震えてる

「大野さん?」

「行かなくちゃ…翔くんのとこ…」

ふらふらと立ち上がりドアに向かう

「リーダー。今リーダーが行ってもやることないよ
それよりもライブの準備しないと」

潤くんが大野さんの腕を掴んで止めた

「やだっ!行くっ!翔くんのとこっ」

潤くんの腕を振り切りドアを開ける大野さん

「リーダー!」

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