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take a breather

第3章 このままもっと

「しょ…くん…」

「ん…」

微かに智くんが呼んでる声が聴こえる。

「翔くん…そろそろ起きないと、会社に遅れるよ?」

「えっ⁉」

その一言で一気に目が覚め、慌てて体を起こした。

「あれ?なんで…」

人に起こされるなんて何年ぶり?

「ふふっ、昨日俺の部屋で寝たの忘れちゃった?」

智くんが笑いながら近付いてきて、ベッドの縁に腰かけた。

あ…そうか、スマホ部屋に置きっぱなしだ
それで目覚まし鳴らなかったのか

「ありがとう、智くん。助かった」

「ん…朝メシ出来てるよ。顔、洗って来な」

そう言って立ち上がると、俺の頭をくしゃっと撫でて部屋を出ていった。

布団から出て、両手を頭の上で組んで伸びをする。

「はぁ~、よく寝たっ」

いつもなら目覚ましなんて無くったって起きられるんだ。
念の為に掛けてはいるけど…

今日起きられなかったのは、気持ちが緩んでいたせい
智くんの傍にいるだけで、俺の心は安心仕切っちゃうんだよなぁ。

智くんに撫でられたところを手で触れた…

「いつまで経っても子供扱いだな…」

思わず笑みが溢れる

智くんにしてみれば、俺は子供の頃から変わず『手の掛かるおともだち』なんだろうな。

「ダメだよなぁ~、いつまでも頼りきってて…」

でも、俺に優しくしすぎる智くんも悪いんだからね?

「さっ、メシメシ」

ほっこりとした気持ちになった俺は、智くんの待つリビングに向かった。

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