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take a breather

第15章 二人の記念日

感情のままに家を飛び出したから
財布も携帯も持たずに来てしまった

いつもなら潤の店に行く所だが
今日は流石にアイツに会う気にはなれない

それに日曜は定休日だしな

ニノの店も夜はやってないし
今頃は相葉と楽しく過ごしてる事だろう
邪魔するのは申し訳ない

仕方なく近所の公園のベンチにひとり寂しく座る

寒さのおかげですぐに頭も体も冷えていく

あのふたり…いつからそんな関係になってたんだろう…

翔の様子だって今までと全然変わらなかった

いや、変わってたか…

付き合い出した頃よりも艶っぽくなった

俺を見つめる視線も声も色っぽくて
だからいつも煽られて抑えが効かなくて…

しつこくし過ぎたのかな…

職場でも家でもずっと一緒…
四六時中傍にいて息が詰まった?

はぁ…一緒に暮らさない方が良かったのかな

俺だけが今の生活に満足してた?

そもそも潤の方がイケメンだし
翔よりも背が高いし
何よりもジェントルだからしつこくしたりしないのかも…

冷静になればすぐわかる事なんだ
俺と潤じゃ、比べようもないくらい潤の方がイイ男だってことは

それでも、翔の事は渡したくない…

少し距離を置けば
翔も息が詰まる事なく付き合いを続けてくれるだろうか…

…情けねぇ…

翔が他の人を好きでも別れて欲しくないだなんて…

でもそう考えてしまうくらい
俺は翔の事を愛してるんだ…

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