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take a breather

第16章 WISH

23日から25日の3日間だけのアルバイト

ケーキ作りに忙しいおじちゃんと従業員さんに代わって
俺と雅紀で接客をする

雅紀は中学の時から手伝っているから慣れたもんで
俺はどちらかと言うと雅紀の補佐的に働く

そんなに気も遣わないし
甘いケーキの匂いに囲まれた空間で働けるのは実は嫌いじゃない

終業式の日、打ち合わせも兼ねておじちゃんの店に寄った

「お〜、智。急に頼んで悪かったね
アルバイトの募集したんだけど
クリスマス期間だからか誰も来てくれなくてさぁ」

「別にいいよ。クリスマスパーティーやる訳でもないし
小遣い稼ぎには丁度いい」

「そうか、なら良かった…
今年は雅紀が24日駄目だって言うもんだから、智に来てもらえて本当助かるよ」

「えっ⁉︎雅紀いないの?」

「あぁ…24日だけな?
友達とパーティーやるんだと
まぁ、あいつも高校生になって色々付き合いあるだろうから仕方ないよな」

「そっか…
って事は24日は俺1人?」

「いや、雅紀の友達が1日だけ手伝ってくれることになってる」

「雅紀の友達?
だって雅紀は友達とパーティーなんだろ?」

「そう言ってたけど、その子は一緒じゃないんじゃないか?」

「ふ〜ん」

自分は友達とパーティーなのに
『友達』と称するそいつには代わりに店の手伝い?

なんか雅紀らしくないな…

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