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take a breather

第16章 WISH

翌23日は平日だし、イブイブということもあってそんなに忙しくはなかった

特に昼間は店番をしてる雅紀とふたり
無駄話に花が咲く

「明日のパーティーって友達とやるんだろ?」

「えっ?あ…まぁ、そう、だね…」

辿々しい喋り…
なんか怪しいぞ?

「違うのか?もしかして彼女?」

「違う違う!彼女じゃないよ
高校のクラスメイトの子」

「そうなんだ。雅紀、男子校だもんな
クラスメイトって事は相手は男か…」

「そ、そうだよ…
はは…やだな、智…俺のこと疑って…」

「いや、だってさ、この前来た櫻井くん?
あの子もお前の友達なんだろ?
それなのにお前の代わりにバイト頼んだって言うから
櫻井くんは一緒にパーティーに参加しないのかなって」

「あぁ…うん、翔ちゃんはしない…」

「なんかさぁ…友達っていうけど
お前とは合わなそうだもんな?アイツ」

「え、そう?結構仲良くしてるけど?」

「そうなのか?なんかお堅いじゃん
いかにも勉強出来ます、みたいな」

「俺もね、最初はそう思ってたし
俺なんかが友達になれるような人ではないと思ってたんだ
でもさ、ウチの店が地元の新聞で取り上げて貰った時
翔ちゃんが新聞持ってきて『これ、相葉くんのお家なの?』って聞いてきてさ
それから仲良くなったんだよね
それに何度かウチの店に買いに来てくれてたみたい
友達思いな奴なんだよ?」

「へぇ…そうなんだ
でもさ、やっぱ優等生じゃね?
新聞に載ったクラスメイトの家にわざわざ買いに来るなんて
俺、優等生と付き合ったことないんだけど疲れない?」

「ぜーんぜん平気だよ
この前は緊張してて堅かったけど普段はよく笑ってるよ?」

「そっか…じゃあ慣れれば大丈夫かな」

「うん。智なら仲良くなれると思うな」

よし、雅紀の言葉を信じるか…

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