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take a breather

第16章 WISH

クリスマスイブ、今日が忙しさのピーク
昨日よりも早く店に行き
出来上がったケーキの箱詰め作業を手伝う

今日は4、5、6号のクリスマスケーキのみの販売
忙しいけど、他の商品の販売がないから仕事としては単純作業

「おはよ」

「おはよう、智。悪いな、朝早くから」

「大丈夫だよ。これ箱に入れればいいの?」

出来上がってるケーキを指差した

「うん、そう。ちょっと待ってて
今、潤が箱持って来るから」

「了解」

潤さんはこの店のイケメン従業員
パティシエの修行をしていて、俺も顔なじみ

「お?智、もう来てたのか。おはよう」

マスクとビニールの手袋を装着してるとダンボールを持った潤さんが来た
ダンボールの中にはケーキボックスが折り畳まってる状態で入ってる

「おはよう潤さん、その箱を組み立てて入れてけばいい?」

「うん、よろしく。入れ終わったのはそこの保冷用のケースに入れておいて」

「オッケー」

ケーキボックスを組み立てていると店の方から声が聞こえた

「おはようございます」

「あ、櫻井くんかな?
智、ちょっと見てきてくれるか?」

「あいよ」

店内に行くとそこにはベージュのダッフルコートを着ている櫻井くんが立っていた

「あっ、おはようございます」

ペコっと頭を下げ挨拶をする

今日の髪型は先日とは違い
前髪を下ろしたサラサラヘアー

しかも私服のせいか見た目の堅さは無い

「おはよ、櫻井くん
奥で箱詰め作業してるから行こう」

「はい」

櫻井くんを連れて工房に戻ると背後から感嘆の声

「うわぁ〜、凄い!」

後ろを振り返り櫻井くんを見ると並べられてるケーキを見つめていた

声のテンションの高さにも驚いたけど
ケーキ見ただけでそんなに感動するもん?

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