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take a breather

第16章 WISH

「おはよう櫻井くん。今日はよろしく頼むね」

「あっ、おはようございます
こちらこそよろしくお願いします」

ケーキに見とれていた櫻井くんが慌てておじちゃんに向かい挨拶する

「潤、こちら今日一日だけ手伝ってくれる櫻井くん
面倒みてやって」

「はい、って
あれ?翔くん?」

潤さんが櫻井くんを見て驚いた

「はい。よろしくお願いします、松本さん」

「なに?2人とも知り合い?」

「えぇ、翔くんはこの店の常連さんですよ?」

「えっ?そうだったの?
雅紀に『何度か買いに来てる』とは聞いてたけど
潤が名前知ってるくらいの常連さんなんだ?」

「はい。月に2、3度は来てくれてます
男の子がひとりで買いに来るの珍しいからすぐに覚えました」

潤さんがそう言うと恥ずかしそうに微笑む彼

「僕、子供の頃からここのケーキ大好きで
中学生になってからは自分のお小遣いで買いに来るようになったんです」

「へぇー!それは嬉しいなぁ
じゃあ今日は帰りに1つ持って帰って食べてよ」

おじいちゃんの顔は本当に嬉しそう

「えっ!いいんですか?
買って帰ろうと思ってたんですけど」

「いつも買って貰ってるお礼」

「ありがとうございます」

櫻井くんが勢いよくお辞儀をした

なんか櫻井くんのイメージが変わってきたかも…
クラスメイトの家だから買いに来てたんじゃなくて
元々常連だったんだ…

しかも自分の小遣いで買いに来るなんて
櫻井くんもスイーツ男子?

話のタネが見つかった

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