テキストサイズ

take a breather

第16章 WISH

「櫻井くんはどのケーキが好きなの?」

ココアの入ったカップを櫻井くんに差し出す
それを受け取りながら櫻井くんは即答した

「チーズケーキ!あと和栗のモンブランと季節のフルーツタルトと…
あっ!チョコレートケーキもいいなぁ」

夢中になって答える姿を見て
最初のお堅いイメージは完全に崩れ去った

こんなに真剣に答えるんだからやっぱり真面目なんだろう
でも本人は気がついてないだろうけど敬語じゃなくなってる
そんな姿が可愛らしい…

「ふふっ…本当に好きなんだね、ケーキ」

自分の分のココアを持って櫻井くんの隣の椅子に座わる

「はいっ!ケーキを食べるだけで幸せになれます」

「うん、わかる」

「ですよねっ!」

「他には?なにか好きなスイーツある?」

「あちこち食べ歩きもしてますけど
最近はコンビニスイーツかな…
味も良いし、お手軽だから
新商品が出るとすぐに試しちゃいます」

「俺も。プリンとか美味いのあるよな」

「うんうん。蕩ける系のプリンもいいけど焼きプリンも好き
こがしキャラメルのソースが絶妙で」

スイーツを語り出すと敬語じゃなくなるんだな…


「おふたりさん、そろそろ時間だよ」

櫻井くんとの楽しい時間を過ごしていたら
結構な時間になっていた

「あ、ごめん。すぐ行く」

「っと、その前に…はいコレ」

「なにソレ?」

潤さんの手にしていた物…それは

「サンタの帽子とトナカイの角だよ?」

「見ればわかるけど、コレつけるの?」

サンタの帽子はまだいい
でもトナカイの角は
所謂女子がつけるカチューシャになってんじゃん

こんなの恥ずかしくてつけらんねぇよ…

「せっかくクリスマスなんだから
雰囲気出して行こうよ」

「…わかったよ
櫻井くん、どっちがいい?」

「大野くんが先に決めてください
僕、どっちでもいいんで」

「え?いいの?」

「はい。大丈夫です」

「なら、お言葉に甘えてサンタ帽で…」

「じゃあ僕はトナカイの角つけますね」

櫻井くんがトナカイの角を手にした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ