無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「あまっ」

「ね？食べてよかったでしょ？」

キミが嬉しそうに笑うから

「うん、食べてよかった」

今度はケーキをひとくち大に切ってキミの口に運ぶ

「はい」

「ありがと」

パクッとケーキを頬張ると
途端に笑顔が溢れる

「おいひ〜」

「ほんと？じゃあ俺も…」

同じようにひとくち大に切って食べた

「うまっ！」

「濃厚だよね」

「うん、『チョコレート食ってるんじゃね』ってくらい濃厚」

「うんうんっ」

もうひとくちフォークにすくう

「はい」

「もういいよ
ひとくちだけって言ったでしょ？」

「だって美味いだろ？」

「おいしいけど…」

「いいからほらっ、あーん」

「う、ん…」

遠慮気味に口を開けるから

「あっ！ごめん、チョコついちゃった」

「え？どこ？」

キミが俺を見て聞く

「ここ…」

キミの瞳を見つめながら指先でキミの唇に触れた

時が止まったように固まるキミ…
その直後、キミの顔が紅く染まった

チョコを拭き取り指を離す

「取れたよ？」

「…あ、りがと…」

キミが恥ずかしそうに視線を逸らす

「…うん」

今日もまた
うるさく心音が鳴り響く…