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take a breather

第17章 Love so sweet

翌日、ふたりで不動産屋を訪ねた

翔の通う学校からそれ程離れず
家賃、部屋数等々いくつかの条件を全てクリアした物件を見つけた

「いい場所だね。間取りは問題ないし
陽当たりもいい」

案内された部屋を内見しながら
翔が満足そうに微笑んだ

なんだかんだで俺よりもうるさく条件を出してきた翔
やっぱ物事の考え方が真面目なんだよな…

「じゃあここに決めるか?」

「俺はいいけど、智はいいの?」

「俺は作業部屋さえあれば問題ないから」

「そっか…うん、じゃあここにする」

「よし、決まりな?
すみません」

少し離れた所にいた不動産屋に声を掛けると、ニコッと笑ってこちらに近づいて来た

「お決まりですか?」

「はい。ここに決めます」

「それでは事務所に戻って契約ということでよろしいでしょうか」

「はい。お願いします」


契約を済ませての帰り道

「家具どうする?
俺の使ってたやつもあるけど、どっち使う?」

「リビングのテーブルとソファーは1組あればいいもんね
あとは〜、テレビとか家電も処分するようかな?」

「だな。2個あっても仕方ない物は処分しちまおう
明日にでも家に行って
どっちのを使うか決めようぜ」

「うん。ふふっ…楽しみだな、新しい家」

「生活は今までとそんな変わらねぇだろうけどな」

「違うよ…」

翔が小さな声で呟いた

「えっ?」

「全然違うよ?だってふたりの家なんだもん」

少し照れ臭そうに微笑む翔が愛しくて
その指先を指先でそっと握った

「ん、そうだな」

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