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take a breather

第17章 Love so sweet

「努力?したとも
何度もこの店に足を運んでるじゃないか」

「何度もねぇ…それで『やっと』今日ショウに会えたって?
ショウは今日まで何度もここに来てる
それを『やっと』会えたなんて
そんなの努力でもなんでもないだろうが」

カズが吐き捨てるようにそう言い
俺の肩に手を乗せた

「この人はね、ショウを捕まえるまで毎日この店に来てたんだよ
その後だって時間を掛けてショウの心を溶かしていった
アンタと違ってこの人が欲しかったのはショウの心だから…
カラダ目的なんて言う浅ましいアンタには
最初から勝ち目なんてないんだよ!」

「なっ!なんだと!」

「あ〜、それともう一つ…
この人ひとりじゃショウのカラダが満足出来ないみたいなこと言ってたけど
アンタみたいな中年のオッさんと違って
この人ひとりで十分に満足させられてるから安心して?」

「しっ、失礼が過ぎるだろ!
気分が悪い、帰らせて貰う!」

「どうぞどうぞ」

カズが店のドアの方へと手を伸ばした

「こんなピアニストがいる店
もう2度と来ないからな!」

男がマサキに向かって吐き捨てる

それまで口を閉ざしていたマサキがニコッと笑った

「えぇ、そうしてください
大切な友人と大切な恋人を貶すような方を
お客様として迎え入れることは出来ませんから」

「くっ…失礼する!」

その男は立ち上がると足早に去って行った

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