無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「あ、そうだ
ツアー申し込みしておきましたから」

風ちゃんが突然思い出したかのように言ってきた

「ツアーって？なに？」

「やだなぁ…櫻井さんが添乗員につくツアーに決まってるじゃないですか」

「へっ⁉︎なにそれっ？」

翔くんが担当するツアー？

「前に話したでしょ？
櫻井さんの仕事ぶりが見たいから
ツアーに客として参加しようって」

「あっ！」

そういえばそんな話したことがあった
でも冗談だとばかり思ってた

「思い出してくれました？
来月なんでよろしくお願いしますね」

「ちょっ、ちょっと待ってよ
急にそんなこと言われても
休み取れないよっ
大体どこに行くかも聞いてないしっ」

「休みは俺と一緒に申請しておいたんで安心してください
日程は2泊3日です」

「いつのまに…」

あまりの行動力に驚かされる

「だって大野さんに相談してたら
なかなか話が進まなそうなんですもん
場所は京都です
大野さん、芸術に興味があるって聞いてたんで
仏像とか見学するのいいかな、と思って勝手に決めちゃいました」

「京都か…いいね」

冬の京都は寒いけど、またそれが良かったりする
冷たく張り詰めた空気の中で観る仏像…
気持ちが引き締まる感じ

「楽しみになりました？」

「うんっ！ありがとう、風ちゃん」

それに何よりも翔くんと一緒に旅行出来るんだ
それだけで楽しみだよ