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take a breather

第18章 君への想い

またバスに乗り込み京都へ向かう

バスが走り出すと風ちゃんが小声で話し掛けてきた

「櫻井さんとふたりで楽しめました?」

「え?うん、楽しかったよ?」

「あそこ行ってきたんでしょ?」

「あそこ?」

「ハートロック」

「南京錠?」

「そう…付けてきました?」

ニヤッと風ちゃんが笑った

「つっ、付けてこないよっ
あ、相手いないもんっ」

「え〜、なんだ残念…
せっかくふたりきりにしてあげたのに」

「え…」

ふたりきりって…
風ちゃん、もしかして僕の気持ち気付いてる?

「どうかしました?」

風ちゃんが不思議そうな顔で僕を見る

「あっ…ううんっ…なんでもない…」

特に深い意味があった訳じゃないよね?
僕、風ちゃんに一度もそれらしい話ししたことないし…

でも、もしも本当に風ちゃんに僕の気持ちがバレたら
きっと翔くんにも伝わっちゃう
そしたら翔くん僕から離れていくよね?

どうしよう…そんなことになったら僕…

これからどうしたらいい?

僕は翔くんと仲良くして貰えてるだけでいいのに
せっかくサービスエリアに車で連れてってくれるって約束もしたのに

それが全部なくなるなんてヤダっ…

贅沢なんか言わない

友達の関係のままでいいから
翔くんと一緒にいたいんだ

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