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take a breather

第1章 Now or Never

「ありがとうございます。
嘘でも嬉しいです。今まで笑われたことしかないから」

まぁ、わからなくもない。
確かにこの絵をチワワと言われたら…
ただ、一所懸命描く彼の姿を見ていたから、これは本気で描いたもので、それを笑うことなんて出来ないよなぁ。

「おまたせしました、おしるこです」

笑顔の中年の女性がおしるこをテーブルに置いた。

「あ、ごめん。みっちゃん」

「大丈夫よ?何だか楽しそうだったから声を掛けなかったの」

「ありがとう」

「あとお願いして良い?翔ちゃん」

「うん。片付けと戸締りはして行くからもう上がって?
ごめんね、無理言って」

「ううん、気にしないで。
では、お客様ごゆっくり」

「はい、ありがとうございます」

彼女は笑顔で俺に会釈をすると店の奥へと消えていった。

「あの、今の方は?」

「この店のオーナーで、俺の叔母です」

「えと、翔くん?はアルバイト?」

さっきの女性が呼んでいた名前を思い切って呼んでみた。

「はい。と言っても、年末年始の5日間だけですけど。
明日で終わりです。通常ならバイトは雇って無くて、叔母が一人で店やってるんですよ」

「へぇ、そうなんだ。
もしかしてお店、閉店の時間?」

さっき『あとはお願い』って言ってたもんな。

「あ、はい。いつもは4時でラストオーダーなんです。
叔母が趣味でやってる店なんで」

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