テキストサイズ

take a breather

第19章 ROMANCE

「どっちに座った方がいい?」

入口付近で立ち尽くしてる俺に
大野くんが問いかける

「嫌じゃなければ大野くんの隣がいいかな
参考書とか見やすいから」

「オッケー、こっち側でいい?」

ベッドを背もたれにするように
クッションを2つ並べて置いた

「うん。ありがとう」

手前のクッションに腰を下ろすと
大野くんは俺の右側に座った

「じゃあ、よろしくお願いします。櫻井先生」

「『先生』はやめてよ
俺、カテキョーなんて初めてやるから
ちゃんと教えられるかわからないし」

「へぇ〜、そうなんだ
潤から聞いた話だと
潤の友達の中では抜群に教え方が上手いって聞いてたから
経験あんのかと思ってた」

「ないない。今回だって試しに行ってみてって言われたから来たようなもんだよ」

「ふ〜ん、試しねぇ…
じゃあ辞めちゃう可能性もあんの?」

「それは大野くん次第かな?
大野くんの成績が上がらなければ
他の人に教えて貰った方がいいだろうから…
あとは、大野くんが俺じゃ嫌って言えば辞めるよ?」

「それはないな…
ってことは、頑張って成績上げないと、って事か
よしっ!早速教えて貰っていい?櫻井さん」

なんだ、やる気あるんじゃん
良かった…

これなら大丈夫かな?
勉強は本人のやる気が1番大切
いくら教えても、やる気がない奴は話を理解してくれないからな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ