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take a breather

第19章 ROMANCE

智くんの淹れてくれたカフェ・オ・レをひとくち啜る

「美味しい」

「ホント?」

「うん、ほんと。コーヒーの味がしっかりしてて美味しいよ」

「よかったぁ。スマホでレシピ調べて淹れたんだよね
今まで家でカフェ・オ・レなんて飲んだ事ないからさ」

「俺だってこんなにしっかり淹れた事ないよ
家で自分で作る時はコーヒーに牛乳を多めに入れるくらい
これ、ちゃんと牛乳も温めてくれたでしょ?」

「うん。翔ちゃんには美味しい物を飲んで貰いたいからね」

「ありがとう。智くんて優しいね」

「そんなことないけど…」

照れくさそうに鼻の頭を指で掻く
可愛いな…

なんて思って見ていたら
智くんの視線が俺に向いた

「…翔ちゃんは特別」

「えっ」

じっと見つめられ
そんなこと言われたからドキッとした

「俺…翔ちゃんの笑ってる顔が見たい
だから、翔ちゃんの喜ぶことしてあげたい」

なにこれ…俺が女だったら告白されてるみたいじゃん

智くんの瞳が真っ直ぐ過ぎて
恥ずかしくなって視線を伏せた

「翔ちゃん…」

優しい声で智くんに呼ばれ、少しビクッとする…
なんでこんなに緊張するんだ?

視線を上げることも出来ない

「俺ね…翔ちゃんに一目惚れした」

一目惚れ?

「俺…男…」

「そんなこと知ってるよ」

「じゃあなんで…」

「初めて翔ちゃんの笑顔見た時『好き』って思ったから」

「そんな…勘違いだよ…」

「勘違いなんて勝手に決めるなよ
俺が翔ちゃんのこと『好き』って思ったの
自分以外の人にその気持ち否定されたくない」

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