テキストサイズ

take a breather

第19章 ROMANCE

「ごめん…」

そうだよな…男が男を好きになっちゃいけないなんてことはない

俺が智くんの気持ちを否定しちゃ駄目だ

「俺もごめんね。急にこんなこと言って…
でも知ってて欲しかったから
俺の気持ち…
んで、出来れば俺の気持ちに応えて貰いたい」

「それはっ…」

「もちろん無理に付き合ってとは言わないよ
俺はこれからも翔ちゃんに好きになって貰えるように努力する
それでいつか翔ちゃんが俺の事好きになったら
その時は付き合って?」

俺が男性と付き合う?
そんな日が来るとは思えない
この場でハッキリ断った方が智くんの為?

「翔ちゃん…」

智くんの手が俺の手に触れる

断った方がいいのかも知れない…
その方が智くんの傷は深くならずに済むだろう

なのに…優しく触れるこの手を振り払うことが出来ない

「…いつまでも応えてあげられないかもしれないよ?」

チラッと視線を上げ、智くんの様子を伺う

「それならそれでもいいよ」

ふにゃっと笑う智くんはやっぱり可愛い

「ん…わかった…」

一緒にいれば智くんの想いが間違ってた、ってなるかもしれないもんね

智くんと過ごす時間は嫌なものじゃなく
むしろ心地いいくらいだし

友達としてならいくらでも付き合えるのになぁ…

「これからもよろしくね、翔ちゃん」

「…うん、よろしく」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ