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take a breather

第19章 ROMANCE

それからの智くんは、無理強いをするとかじゃなく
今までと同じように俺に接してくれてる

俺のことが好きだからなのかも知れないけど
本当に優しくて…

これを女の子がされたらイチコロなんじゃないかと思うんだけど
なんで俺なんだろう…勿体ない

背はそんなに高くないけど、スタイルは良い
顔だって整ってるし
雰囲気は柔らかいし

俺が女だったら間違いなく智くんの想いに応えてたんだろうな、って最近思うんだ

「どうよ?最近」

潤がニヤニヤ顔で俺に訊ねる

「別に…何も変わりないけど…」

「ふ〜ん、まだかぁ…」

智くんは潤に全てを話したらしく
潤も俺の動向が気になるらしい

「潤は男同士の俺と智くんが付き合うことに抵抗はない?」

「ないよ。
智は弟のようなもんだから
クソ生意気だけど、可愛いんだよ
だからアイツが好きになった人が男だろうと
俺はそれを応援してやりたい」

相変わらずクソ生意気扱いしてるけど
そこだけはいまだにわからないんだよなぁ

潤の前でだけ見せる顔なのか?

俺には生意気のカケラさえ見当たらないのに

俺に堂々と告白してきた事が既に生意気?

ちょっと意外ではあったけどね
あんなにおとなしそうな子が
たった2回しか会ってない俺に告白するなんて

度胸はあるってことなのか…

そこが潤には生意気に見える?

「可能性はない?」

「え?」

「智を好きになる可能性」

「……ない、かな」

「間があったなぁ」

ニヤッと笑った潤に指摘されても
言い返せない

正直、即答出来なかった自分に少し驚いていたから

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