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「雅紀、その動画、俺に送って貰っていい？」

「別にいいけど…」

「ありがとっ！」

雅紀の両手を握ってお礼を言う

「うっ、うん…」

雅紀から送られてきた動画を
早速自分のスマホで見た

1年前と変わらない…いや、体が一回り大きくなった？

中学生に見えていた彼は
今は高校生くらいに見える

「はぁ…何度見ても凄い…
一段とキレが増したかな」

恋焦がれた彼のダンスをもう1度見ることが出来て胸が熱くなる

「ふふっ…」

動画を2回見終わったところで雅紀の笑い声が聞こえた

「なに？急に笑って」

「翔、彼に恋してるみたい」

「こっ、恋っ⁈」

俺が彼に？

「そっ、そんなことあるわけないだろっ！」

俺が恋焦がれていたのはあくまでダンスだけで
彼自身にそんな感情を抱いてはいない

「だって、うっとりした目で見つめてるんだもん」

「こんな凄いダンス見たらうっとりもするよっ」

「そぉ？俺も凄いとは思うけど
そんなうっとりとは見つめないよ？」

確かに夢中になってるのは自覚してるけど…

「…そんなうっとりしてる？」

「してるしてるっ
愛しい人を見る目だよ」

『愛しい人を見る目』

そう言われて
ふと頭をよぎったのは智くんの瞳だった…