無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

いつもふにゃっとして可愛らしいのに
あんな男っぽい表情をするなんて…

まだまだ俺の知らない智くんがいるんだろうな

潤が言ってる『クソ生意気』な智くんもまだ拝めてないし…


「翔、雅紀。来月これに出るから」

「え？なに？」

「ダンスのイベント」

「イベント？俺たちが出るの？」

「そう『Forest』でな？」

学祭の時に潤と雅紀と俺で『Forest』というユニットを組んで以来、3人で踊ることが増えた

それでも外のイベントは初めての事…

『出る』って事は、申し込み済ってことだよな

潤が俺たちに向けたスマホの画面
そこには潤が申し込んだイベントの情報が…

「これ…」

去年、彼を観たイベント？
会場と時期が同じだけど…

「2部構成になってて
俺たちが出るのは1部の発表の方な」

「へぇ〜、第2部はバトルなんだ？」

雅紀がスマホの画面から顔を上げて潤に聞く

バトルがあるってことは、やっぱりあのイベントか

「そう。俺はバトルも申し込んだけど
お前たちはどうする？」

「無理！」

即答した雅紀
こいつも俺と同じで大学からダンスを始めた組

「俺も…フリーで踊るなんて無理…」

「ふたりともセンスはあるんだから
そのうち出てみなよ、楽しいぞ？」

「う、ん…まぁ、そのうち、な…」

そんなことよりも
今、俺の頭の中を占めているのは
今年も彼は参加するのだろうか、ということ…

もし参加するなら
動画じゃなく、あのダンスをまた生で観ることが出来るってことだよな

そう考えただけでドキドキして来た