テキストサイズ

take a breather

第19章 ROMANCE

試験当日、試験を終えた智くんと大学の門の所で待ち合わせした

俺のアパートで自己採点をする為だ

俺を見つけた智くんが
嬉しそうに手を振って歩いてくる

「お疲れ様、智くん」

「マジ疲れたけど
翔ちゃんの顔見たら疲れが吹っ飛んだ」

「俺、エナジードリンクじゃないけど」

「当たり前だろ?そんなの…
エナジードリンクなんかと比べ物にならないくらい効き目あるもん
俺には翔ちゃんがいてくれれば栄養ドリンクは不要な物だよ」

智くんは平然とした様子でそんなこと口にするけど
言われた側の俺は照れる…

言った本人は恥ずかしいことを言ってる意識はないから飄々としてて
俺だけがドキッとしてるんだ…きっと

智くんに『交際待った』を掛けたのは俺だけど
その間、どれだけ智くんにドキドキさせられたことか…

今は俺の方が智くんを好きな気持ち
大きくなってるんじゃないか?

「翔ちゃん?行かないの?」

不思議そうに首を傾げる智くん

「あ…ごめん、行こう」

歩き出した俺の横に智くんが並ぶ

「ふふっ…緊張する〜」

「あまり出来良くなかった?」

「なんで?良かったよ?」

智くんが俺を見てキョトンとする

「いや、自己採点やるの緊張するって言うから
あまり自信がないのかと…」

「え?あぁ…違う違う、緊張するのは
翔ちゃんの家に行くから
ほら、初めてだろ?翔ちゃん家」

あ、そっち…

確かに俺ん家に来ることはなかった
来る必要なかったしね?

今回はウチの方が大学に近いからそうしただけで
俺としては智くんを我が家に呼ぶことをそんなに重要視してなかったんだけど

「楽しみ〜」

浮かれた様子の智くん
そんなに嬉しいんだ…ウチに来るの

ストーリーメニュー

TOPTOPへ