take a breather
第19章 ROMANCE
「どうぞ、上がって?」
玄関の扉を開けると智くんは中を覗き込み、慎重に足を一歩踏み入れた
大抵の事には動じないのに
ウチに入るってだけで緊張するんだ…
やっぱり可愛いとこあるよね
「ワンルームなんだ…お邪魔します」
「仕送りして貰ってる身だからね
贅沢は出来ません」
靴を脱ぎ、部屋の奥に進むと智くんもその後ろをついてくる
「翔ちゃんの匂いがする」
「へ?俺の匂い?」
クンクンと鼻を鳴らすも特に気になる匂いは無いんだけど…
「臭い?」
「逆だよ…いい匂いがする」
いい匂いって…
「俺、何も付けてないけど…」
「付けてなくても匂いって少なからずあるでしょ
俺にとっては翔ちゃんの匂いはいい匂い」
「そ…なら、いいけど…」
他人から言われたら引くような発言も
爽やかな笑顔の智くんに言われると照れくさい…
「飲み物用意するから座って待ってて…」
逃げるようにキッチンスペースへ…
って言ってもこの狭い部屋の中じゃ
同じ空間にいるようなもんだけど…
小さなヤカンに水を入れ火にかける
「俺も手伝うよ、何作るの?」
俺のすぐ横に立ち俺の手元を智くんが覗き込む
「…牛乳多めのコーヒー」
「ははっ…カフェ・オ・レじゃないんだ?」
「智くんが淹れてくれるカフェ・オ・レ飲むようになってから
俺が淹れてるのはカフェ・オ・レじゃないな、って…」
「そう?味なんてそんな変わらないだろ?」
「変わるよ…智くんの淹れるカフェ・オ・レは美味しいもん」
「ありがと。じゃあ、俺が淹れてあげるね?カフェ・オ・レ
鍋貸してくれる?」
「うん…」
ふたりで肩を並べて淹れたカフェ・オ・レは、いつもより少し甘かった…
玄関の扉を開けると智くんは中を覗き込み、慎重に足を一歩踏み入れた
大抵の事には動じないのに
ウチに入るってだけで緊張するんだ…
やっぱり可愛いとこあるよね
「ワンルームなんだ…お邪魔します」
「仕送りして貰ってる身だからね
贅沢は出来ません」
靴を脱ぎ、部屋の奥に進むと智くんもその後ろをついてくる
「翔ちゃんの匂いがする」
「へ?俺の匂い?」
クンクンと鼻を鳴らすも特に気になる匂いは無いんだけど…
「臭い?」
「逆だよ…いい匂いがする」
いい匂いって…
「俺、何も付けてないけど…」
「付けてなくても匂いって少なからずあるでしょ
俺にとっては翔ちゃんの匂いはいい匂い」
「そ…なら、いいけど…」
他人から言われたら引くような発言も
爽やかな笑顔の智くんに言われると照れくさい…
「飲み物用意するから座って待ってて…」
逃げるようにキッチンスペースへ…
って言ってもこの狭い部屋の中じゃ
同じ空間にいるようなもんだけど…
小さなヤカンに水を入れ火にかける
「俺も手伝うよ、何作るの?」
俺のすぐ横に立ち俺の手元を智くんが覗き込む
「…牛乳多めのコーヒー」
「ははっ…カフェ・オ・レじゃないんだ?」
「智くんが淹れてくれるカフェ・オ・レ飲むようになってから
俺が淹れてるのはカフェ・オ・レじゃないな、って…」
「そう?味なんてそんな変わらないだろ?」
「変わるよ…智くんの淹れるカフェ・オ・レは美味しいもん」
「ありがと。じゃあ、俺が淹れてあげるね?カフェ・オ・レ
鍋貸してくれる?」
「うん…」
ふたりで肩を並べて淹れたカフェ・オ・レは、いつもより少し甘かった…