テキストサイズ

take a breather

第20章 I seek

まずは軽く翔ちゃんのことを意識させてみた

『そういう思い』がどういう思いなのか、考え始めたみたいだ

『翔くんが可愛い』もね?
大野さんだからそう思うんだよ、って

熱々のコーヒーを翔ちゃんから受け取って、そのまま口に運んだ大野さん

猫舌の大野さんは慎重過ぎるくらいに冷ましてから飲むのに
他のことに気を取られていたから冷まさずに飲んでしまった

「あちっ!」

「大丈夫⁉︎」

ティッシュを手に取り、いち早く行動する翔ちゃん

やっぱ、大野さんの世話を甲斐甲斐しく焼けるのは、翔ちゃんしかいないよね

大野さんが翔ちゃんを必要としてる、って言ったら
翔ちゃんなら、その想いに向き合って
応えてくれるんじゃないかな?

大野さんの口元をティッシュで拭いてる姿なんて
できた嫁が旦那の世話をしてるようにしか見えないよ

「口の中やけどしなかった?」

「ん、ほんと大丈夫だから…ありがとね、翔くん」

だらしない顔して…顔、緩み過ぎですけど?
そんな顔しておきながら翔ちゃんへの気持ちが無自覚なんて…

俺が大野さんと翔ちゃんを見てるその向こう側に
苦笑いする潤くんと相葉さんの顔が見えた

おそらく俺も、ふたりと同じ表情をしてるんだろう…

さてさて、次はどんな手に出ますかね?
あちらで苦笑いしてる方たちと作戦会議でもしますか

ストーリーメニュー

TOPTOPへ