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take a breather

第20章 I seek

「おっはよ〜、ってあれ?上田?」

勢いよくドアを開け、元気な挨拶と共に部屋に入ってきたのは相葉ちゃん

「おはようございます、相葉くん」

ほぉ…相葉ちゃんには挨拶するんだ
しかも、一応笑顔?

随分とハッキリした意思表示だな
俺には一言も話し掛けないどころか、軽く睨みを効かせたクセに…

「おはよ…って、上田?」

続いてドアが開くとニノが楽屋に入ってきた

「あ、おはようございます」

ペコっと頭を下げ、ニノにもそれなりの態度を取る
やっぱり俺だけが特別、なんだな…

「兄貴、俺そろそろ行きますね」

「ん、それじゃあ、また週末な?」

「はい。失礼します」

翔くんに笑顔で挨拶し、楽屋から出て行った

「なに週末って?
また兄貴会でもあるの?」

ニノが聞くと嬉しそうに頷く翔くん

「うん。後輩たちの悩みや話を聞く良い機会だからさ
誰かから声が掛かったら、なるべくやるようにはしてるんだ
『兄貴会』って名前はどうかとは思うんだけどね」

「そっか…翔ちゃん、面倒見良いからなぁ…
後輩たちも、つい甘えちゃうんだろうね」

相葉ちゃんがそう言うと翔くんは少し苦笑いをする

「甘えてる訳じゃないんだろうけど
みんなそれぞれ抱えてる物はあるからさ…
話し聞いてやるだけでも多少はスッキリするんだろ?」

「そうかなぁ?あの上田の心酔ぶりは、それだけじゃないんじゃないの?」

面白くなさそうな言い方をするニノ…
きっとニノの事だ
上田の気持ちも気付いてるんだろうなぁ

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