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take a breather

第20章 I seek

「アイツは抱えた物が大きかったからね
それなのに、相談出来る相手が誰もいなかっただろ?
見た目が怖くて、超が付く程の堅物だから
先輩とも後輩とも馴染めなくて…
そんな時に俺が話を聞いてあげたから、恩を感じてるんだよ」

「そんな堅物なヤツが番組内で
世間様の前で翔ちゃんに愛の告白してんだよ?
笑いのネタや冗談なんかじゃないと思うけど?」

ニノがそう言うと翔くんはおかしそうに笑い出した

「ははっ!そんなことある訳ないじゃん
俺、男だよ?」

「でもさ、男が男に惚れるってなくはないでしょ?
今のご時世、珍しいことでもなくなってきてるよ?
翔ちゃんはそこに偏見持つ人?」

「え?いや…持たない、けど…
でも、上田が俺のこと、なんて…」

「大野さんにはどう見える?
上田の翔ちゃんへの愛情
尊敬だと思う?それとも恋愛だと思う?」

「お、俺っ⁈」

突然ニノから話を振られ驚いた

「そう、大野さん
大野さんは、上田のことどう見えた?」

翔くんのことを見ると翔くんもジッと俺を見ていた

「俺、は…
今日、初めて感じたんだけど
上田は翔くんのこと、恋愛対象として見てるんだと思った…」

そう答えると、翔くんの表情が少し驚きに変わる

「大野さんまで⁈
本気でそう思ったの?」

「う、ん…俺はそう感じた」

翔くんにしてみれば、やっぱりショックなのかな
男に恋愛感情持たれるって…

偏見は持たないって言っても
いざ、自分の事となると別物だよな

「そっか…でも、アイツがそれを伝えて来ない限りは
今まで通りの付き合いをするし
伝えて来たとしても、それに応える事は出来ないけど
付き合い方を変えることもない
アイツの想いがどちらであろうと
何も変わらないよ」

翔くんは優しい微笑みを浮かべる

それって、俺にも当てはまるのかな?

俺が想いを伝えても
翔くんは何も変わらず、今まで通りの付き合いを続けてくれる?

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