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take a breather

第20章 I seek

〈N's eyes〉

楽屋に入ると上田の姿があった

あ〜、コイツも翔ちゃんに惚れてる一人だよなぁ

すぐに部屋を出て行ったけど
週末にはまた『兄貴会』が行われるようだ

「そっか…翔ちゃん、面倒見良いからなぁ…
後輩たちも、つい甘えちゃうんだろうね」

笑顔でそう話す相葉さん

相葉さんは気付いてないんだろうね、上田の気持ち

翔ちゃんのことを狙っている後輩は上田だけじゃない

だから、俺と潤くんは兄貴会が頻繁に行われるようになって心配してたんだ

大野さんの事を鈍いと言ってきたが
実は激ニブなのが、もうひとりいる

それが翔ちゃんな訳なんだけど…

今まで上田の事に関しては言及してこなかった

でも、良い機会だ

翔ちゃんと大野さんに上田の気持ちを知ってて貰った方が
ふたりとも警戒してくれるだろう

そう思って話し始めると
意外な事に、大野さんは上田の気持ちに気付いているようだ

俺が翔ちゃんと話してる間
心配そうに、翔ちゃんのことを見つめてる

だったら、大野さんの口から直接
上田の想いを翔ちゃんに伝えてさせてみるか

「大野さんにはどう見える?」

「お、俺っ⁈」

驚きながらも話し始めた大野さん

やっぱり気付いたんだ

野生の本能?
自分の想いに気付いたからか
ライバルを鼻で嗅ぎ分けられるようになったかな?
大野さんらしいっちゃ、らしいね

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