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take a breather

第20章 I seek

「やっぱり日本人は和食に日本酒だよなぁ…
若い奴らと飲みに行くとさぁ
まだ肉とか、ガンガンいくのぉ…
もうキツくて…」

「兄貴会?
先週もあったんだろ?
楽しめなかった?」

「んー?楽しかったよぉ」

楽しかったという割には少し哀しそうに見えるのは気のせいか?

「なにかあった?」

「ん…ニノと智くんに言われて
わかってたつもりだったんだけど
実際そうなると、悩むもんだね…」

俺とニノ?まさか…

「上田になにか言われたのか?」

「ん〜?愛の告白ってヤツ?
番組内で言われたことと
ほぼ同じだったんだけどさぁ…
一対一で真正面から言われると
ちょっとクルよね」

苦笑いする翔くん

「上田に情が沸いた?」

「なんか…申し訳ない気持ちになった
でも、やっぱり上田の想いに応えることは出来ないから正直に話したよ?
『上田が好きって言ってくれるのは嬉しいけど、今まで通りの関係でいたい』って…」

「それで納得した?」

「ん…してくれた
元々、俺と付き合えるとは思ってなかったんだけど
ずっと気持ちを抑えてるのが苦しかったんだって…
俺の答え聞いてさ
『困らせてすみませんでした、酔っ払いの戯言だと思って忘れてください』って
振られたクセに頭を深々と下げて謝るの…
やっぱ、男気のあるヤツなんだよな…アイツ」

視線を伏せ微笑みを浮かべる翔くん

俺もそう思う…

振られる覚悟はあっても実際振られたとなれば多少は傷付かない筈はない

それなのに相手を思い遣れる優しさ…
イイ男だよなぁ

好きな相手が翔くんじゃなかったら、応援してやりたかったよ

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