
君はぼくの全て
第2章 課外授業 1
智と連れ立って向かうのはもちろんバスケ部の部室
渡り廊下を過ぎて、部室の前に着いたとこで何か変だと気が付いた
「ねぇ、やけに静かじゃない?」
「うん。何も聞こえねぇな」
そう
ミーティングなら確実に聞こえる筈の中からの話し声が全く聞こえない
学校の部室は防音なんてされてないから、普通の話し声なら大抵は聞こえるのに
つか、人の気配もないってどういう事?
「誰もいないみたい。ねぇ、他にミーティングやる場所ってどこ」
「えー、ここ以外にはない…と思う、けど」
「智の役立たず!」
「ひどっ」
八つ当たりなのは分かってるけど、何だかモヤモヤが止まらなくて智に当たった
本当ならポカポカ殴っちゃいそうなくらいモヤモヤしてるんだから、言葉で抑えてるだけ優しいと思えっ
「なあ、にの」
「なによ」
「ミーティング、っつったんだよな?」
「まーくんが俺に嘘つくとでも?」
ギロン、と智を睨む
智は「あーはいはい」なんてため息つきやがった
智のくせに生意気な
