
君はぼくの全て
第2章 課外授業 1
「かず」
今までに見た事のない位、怖い顔でまーくんが俺を見た
「さすがにそれはダメ」
「でも…」
「でも、じゃないよ。怪我したらどうするの?」
まーくんから引き剥がした時によろけたその子は、ギリギリのとこで一緒にいた子が支えて転ばずに済んだ
確かにそれは、俺もやりすぎたかなとは思う
でも
「二宮、サイテー!」
「か弱い女の子に何すんのよ!」
ギャンギャン騒ぐその態度と顔は、か弱い女の子どころか肉食獣じゃん…、と思ったけどそこはお口チャック
今はまーくんが怒った事のショックと、万が一嫌われたらどうしようと言う不安のが大きい
だから
まーくんの腕にしがみつきながら「ごめん」と女子たちに謝った
確かに俺も、引き剥がした力が強かったし
本当に怪我されたら洒落にならなかったし
「んーと、カラオケには行かない。ごめんね」
そして
「怪我しなくて良かった」とよろけた子にもう一度「ごめんね」と謝って
俺には優しい顔を見せないまま「行くよ」とちょっとだけ強く腕を掴んできた
