
君はぼくの全て
第3章 卒業
「受験生の頭叩くなんて信じらんない!バカになったらどうしてくれるっ」
「このくらいでバカになるなら最初から受からないわよ」
…ひどい
これが親の言う言葉?!
「そのジメジメした空気、止めてよね。カーペットにカビ生えそう」
「生えないもんっ」
「…で、何でそんなにここんとこ暗いのよ」
「まーくん…」
つい、ポロっと名前を出した途端、面白いと言わんばかりにかあさんが隣に腰を降ろした
「雅紀くんがどうしたの。あ、もしかしてフラれちゃった?」
「フラれてなーいっ!!」
何て事言うんだこのババァっ
唯でさえ一緒にいる時間が少ない今それを言うなんて、ありえない!
「じゃあなによ。朝だって毎日一緒だし、クラスだって一緒なんでしょ?」
それ以上何を望んでるわけ?とかあさんが首を傾げる
「帰り道がバラバラ…」
「は?」
「塾、一緒に行けないから放課後から次の朝まで会えないのが続くんだもん」
言ってて寂しくて、膝に顔を埋める
「え、ちょっと気持ち悪いんですけど」
…そんな俺に対し、かあさんが本気でドン引きしたのが分かった
