
君はぼくの全て
第3章 卒業
耳越しに聞こえるまーくんのクスクスとした笑い声に、ホッとした
「だって…放課後は電話はしないって約束してるし」
そうだ
俺とまーくんは、お互い同じ大学に入るために頑張ろうって、放課後はそれぞれ勉強に集中する約束をしてたんだ
『そうだけど…でも嬉しい。明日までかずの声聞けないと思ったから』
んもう!
どうしてそう優しいの!
だからまーくん大好き!
「ホント?勉強の邪魔してない?」
『うん、大丈夫。…で、何かあった?』
電話をしない、と言ったのは俺の方だから、まーくんが気にするのも分かる
「ううん。あのね、後ちょっとだから一緒に頑張ろうって言いたくて」
『うん』
「あとね」
『うん』
何かやっぱり照れちゃうけど、これが一番大事な用件
「受験終わったら、ぎゅーして」
『あはは。もちろん』
「あと、ちゅーもして!」
電話で良かった
今、俺の顔茹でダコみたいになってるはず
いつもは当たり前にくっついてるくせにって思うけど
照れちゃうもんは仕方ない
