
君はぼくの全て
第3章 卒業
電話の向こう、まーくんの吐息が聞こえた
吐息…え、まさかため息?
呆れちゃった?!
照れから一転、顔が見えない事に不安を覚える俺の心はジェットコースターみたいに揺れ動いていく
あれ、何か俺ってポエマー…じゃなくて!
『かず』
「は、…はいっ」
思わず敬語で返事をした俺に、またまーくんが笑う
『一緒に受かったら、ぎゅーでもちゅーでも何でもする』
笑いながらだけど、そう言ってくれて
そして
『大好きだよ、かず』
わざわざそう付け足してくれるから、泣きたいくらい嬉しくなった
「俺もまーくん大好き!受験、頑張ろうね!」
明日になれば会えるけど
顔を見て伝える事も簡単に出来るけど
電話でしか味わえない、二人だけのこの空気は誰にも分からない
名残惜しいけど通話を切って、気持ちを切り換える
日中はまーくんを愛でるけど
放課後は勉強だけに集中してやるもんね
見てろよ!絶対受かってやるんだから!
