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君はぼくの全て

第3章 卒業



まだドラマみたいに、校庭の桜は咲いていないけれど
雲ひとつない晴天は、俺たちの新しい門出をお祝いしてくれてるみたいだった

泣いちゃうかな…と思ってたけど、とんでもなくブサイクな顔で泣いてる智を見てたらそんな気持ちは吹っ飛んだ

智ってば「笑ってんなよぉ」なんて言いながら、またぼろぼろ泣くんだもん

つられて泣く以前にその顔に笑いが止まらなくなったんだよ

校歌は、歌うのは今日が最後なんだと初めてしっかり歌ってみたけど

…半分ぐらい、意味不明

何で校歌って、良く分からない歌詞が出てくるんだろうね、って隣に座るまーくんとヒソヒソ話してた


そして

ひととおりの式が終わって、まーくんと智がバスケ部の後輩に捕まってる間、俺は潤くんとマックで時間潰し中なう(古い)

4人で、お別れパーティーしようって約束してたから解放されるのを今か今かと待っていた


「ってもなぁ、お別れってなんだよ」

潤くんが低い背もたれに仰け反るように座って呆れた顔をする

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