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すぐそばにいる君を

第3章 非協力的の君

まったく村中と関わらずして1日が終わった。
そりゃあそうだ、ただのクラスメートであって友達でないのだ。
気楽に話せるわけもなくただ同じ空間にいるだけの存在。
「はあ…」
「どーしたの、春?」
「いや、なんでもない」
今日1日でどれくらい村中の名前を聞いたのか。
まったく接点などないのに名前だけが追ってくる。
チラッと席を見てみると既に姿はいなくなっていた。
「なーに、もしかして村中くんとペアー組まされた時点で気になる存在になった?」
「みいヤン、あなた何を考えているの?」
「もしかしたら春と村中くんが恋仲になったりしてねーって」
絶対ありえないことを簡単に口に出してワクワクした表情をする彼女にもう何も言えない。
「部活行かないの?
ほら皆待っているみたいだよ」
後ろに集まる数人、何かを喋りながらこちらを見てくる。
「あー、待っててすぐにいく!」
元気よくそういうとこちらに振り向き笑顔をこぼす。
「じゃあ、なにか村中くんとあったらすぐに知らせてね」
「ないって、絶対に」
「じゃーね」
私の話は一切聞かずに後ろに向かい走っていった。
勝手な妄想するのは結構だけど、私を巻き込むのは勘弁してほしい。

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