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すぐそばにいる君を

第3章 非協力的の君

帰宅路についた私はなんとなく気持ちが楽になっていた。
どんなに逃げても追ってくる村中の名前を今日はもう聞かなくていいと思うと解放された気分になっていたのだった。
「さーて、今日は帰ったら何しようかな…」
色々なものを思い浮かべて少しウキウキしていると、今日発売のいつも楽しみにしていた雑誌の発売日だと気いてコンビニへ急ぐことにした。
「いらっしゃいませ」
コンビニの店員の声を受けすぐに窓際にある雑誌コーナーへ向かう。
「えーと、ハナヨメハナヨメ…」
目的である雑誌、(ハナヨメ)を探しながら横へ移動していく。
「あ、あったあった」
すぐに見つけて手に持つと、家に帰ってから読むための飲み物とお菓子を少し買い、レジへ向かう。
黙々と会計を済ましていくと、なぜか途中言葉をくぐもる店員に不思議に思いそちらを見てみる。
「ん?」
つい最近よく見る人だと注意深く見てみると、相手は焦ったような表情をし金額を指差す。
「…村中、そこで何してるの…?」
名前を呼ぶと余計焦ったような表情をし隣のレジを指差す。
店長らしき人が店内を厳しい眼差しで見回っているのを見てすぐに向き直す。
「で?」
「で?じゃないだろ、状況見ればわかるだろ!!」
なぜか私が睨まれて、低い声で注意される。なんか納得できないとすぐにお金を払い早足でコンビニを出ていく。

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