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すぐそばにいる君を

第4章 なんでそうなる…

「っで?お前、やる気あるの?」
「あるって、ないとちゃんと練習場に来ないでしょ!?」
「だったら、きちんと俺に合わせろ!!」
「なによ、そっちが合わせてよね!!」
こう言い合いが始まったのは、二人三脚の練習をするために放課後集まって実践したことがきっかけだ。
村中と私の歩調があまりにも違いすぎて、私がよくこけていた。
顔に砂を被った状態で言い返す。
「何回転ければ気がすむんだよ、この転ける女が!!!」
「あ、ひどい。私にも名前があるって知ってるでしょ!?
それで呼んでよ」
「…めんどくさい」
「いやいや…」
こういう風な会話をしながら練習を続ける。
しっかり結びつけた足を見つめて、二人三脚って息がちゃんとあったことが条件で進む競技なのに私たちは一切合わずにお互い足を引っ張っている。
ため息をついて周りを見渡すと、きちんと息が合い、もう走っているチームがチラホラ見えて嫌気がさしてきた。
「周りを見る余裕があるなら、きちんと練習しろ!!」
「うるさいなー」
このままではダメだと、足同士結んでいる布を解くと、一息つこうよと水飲み場へ歩む。
「おい、まじでピンチだって分かってるのか?」
「少し砂を払うだけだよ」
そう言い水飲み場へ歩み進めると、どうやらついてきたらしく先に蛇口を回す。

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