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すぐそばにいる君を

第1章 なんであなたとこんなこと!?

「おおーい、村中?」
とりあえず気を引こうと声をかけ続けてみるが、こっちを向こうともしない。
お手上げだと思い席へ戻ろうと向きを変えようとした時、声は返ってきた。
「…何?」
それは低く、うっとおしい虫を払うような声で返ってくる。
「あ、ね。とりあえず二人三脚のペアーになったんだからよろしくねって言いたくて」
「……あっそ」
あまりの興味を示してくれなさに呆気にとられた。
確かに、今まで話したことのない私がいきなり話しかけたのは悪いことかもしれないが、だからと言ってここまでそっけない風でいいのだろうか…彼を見つめそう思うが、とりあえず愛想をよくしてみる。
「たったの4ヶ月だから、村中にとっても苦痛かもしれないけど互いに頑張ろうね。
あっそれで…」
これから練習をやろうかどうか聞こうとしたら、おもろに立ち上がり、荷物を持ち後ろのドアへすたすたと歩き出す。
「ちょっと、待ってよ!」
あとを追うとこちらを睨み一言言う。
「はっきり言ってあんたうざい」
それだけ吐くと後ろのドアヘ姿を消した。

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