
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
「お、やっとか」
ふいにそんな事を呟いた櫻井さんがスタスタと玄関に向かって行った
チャイムが鳴った訳でもないのに何で?と思わず大野さんを見ると、大野さんも「はて?」と首を傾げている
「なんですかね…」
「知らん」
気にはなるけど、目の前の猫の可愛さには敵わない
だって
いつまでこいつといられるか分からないんだから
…本当にうちでは飼えないんだろうか
共働きで飼ってるとこはたくさんあるのに
動物を飼う大変さは、確かに聞いた話でしか分からないけど、命を預かる大事さくらいは理解してる
「大野さん」
「ん?」
「大野さんは動物飼った事あります?」
「実家ではずっと犬飼ってるぞ。今は3代目がいる」
可愛いんだよなー、と大野さんが笑う
「やっぱり大変ですか?飼うのって」
「んー、うちはかぁちゃんが殆どやってたから何とも言えないけど、基本人間と一緒じゃん?」
ー…具合悪いなら病院行くし、予防接種も人間もするし、…ただ、言葉が分からないからこっちが察しないといけないのは大変かな
大野さんの言う事は、何だかすんなりと胸に落ちた
