
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
その低音ボイスは言わずもがな櫻井さんだ
会社で散々聞いていたこれを聞くと、どうしても背筋に嫌な汗が伝ってピシッとなるのは、殆ど条件反射のようなもの
「いちゃつくならとっとと帰れ。下らない事に俺らを巻き込むな」
「いや、巻き込むつもりは…」
「そうだよー、にゃんこ可愛いじゃん」
のんびりした声で大野さんが助け船を出してくれたけど、多分効果は期待出来ない
だって
俺がここに来た時、櫻井さん達はどこかに出掛ける予定だったらしい
それを俺が泣きついてきた故に、予定を変更して付き合ってくれた
でもって、相葉さんが戻ってきてみれば、俺の悲愴感はどこへやら、猫は飼える事になってるし喧嘩どころか仲良くしてるわで…
そりゃ櫻井さんがキレたくなるのも分かる
俺だって、逆ならそうなると思うし
仕事が忙しくて、なかなか大野さんとの時間が取れないと聞いてたから、今日の外出はかなり楽しみだったはず……
だから大野さんのそれはむしろ逆効果なのでは…
