
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
「…何でこいつ、俺を敵視してんの?」
「んー、俺には懐いてるのにね」
そう。最初から俺にはゴロゴロと喉を鳴らして甘えているのに、なぜか相葉さんに対してはほんの少し近付くだけで怒り出している
多分触れば間違いなく引っ掻くだろう
「ま、いずれ慣れるでしょ」
でもそこは相葉さんのポジティブさが発揮
初対面からあれだけ威嚇されまくってもこうやって笑い飛ばすんだから、凄いと言うか何て言うか…
慣れない家の中を探険しまくって疲れたのか、猫はソファーに座る俺の腿に乗っかり、丸くなった
柔らかくもないそこは果たして寝心地なんて良いのかな
ソファーの上の方が、遥かにマシな気がするけど…
「…俺のかずなのに」
隣に座る相葉さんが、恨めしそうに猫を見つめた
「は?」
「何であっさり膝枕なんかさせてるの?他の男に」
そっと猫の頭を撫でてた指が思わず止まる
「男、って…猫でしょ。バカなの?」
「オスなんだから男じゃん」
起こさないように、声は潜めているけど、相葉さんの声が刺々しいのは充分に伝わってきた
ー…ポジティブなんて、訂正!
「そりゃ、オスだけど猫だし」
人間と比べるとか、意味分からないんですけど?
