
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
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カリカリとドアを引っ掻く音が聞こえる
うるさいなぁ、俺は疲れてんだよ。静かにしてよ頼むか……
「猫!」
忘れたらいけない事を忘れてた。何やってんだよ俺ってば!
だるい体を無理矢理起こし、隣で気持ち良さそうに眠る相葉さんの頭をとりあえず1回ひっぱたいてから、ドアの向こうの生き物を驚かさないようにゆっくりとそれを開けた
「にゃあっ」
俺を見た瞬間「遅い!」と言わんばかりに小梅が足にまとわりつく
「ごめんごめん、おはよ、小梅」
軽くて柔らかいふわふわの小梅を抱き上げ、頬擦りすれば、お返しとばかりに小梅は俺の顔を小さな舌がざりざりと舐めてくれた
小梅を胸に抱いたまま、まずは洗面所に向かう
顔を洗う間おとなしく足元に座って待つ小梅に思わず唇が緩んだ
いやマジで可愛い
この可愛さをこれから毎日見られると思うと、嬉しくてたまらない
仕事なんか行かないでずっと小梅といたい、なんてちょっと考えてみたり
…まあ、それは無理だけど
