
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
そりゃ、飼えなくなった何か深刻な理由があるかも知れない
でも、それならそれで新しい飼い主探すとか色々あるんじゃない?
見なくても、どんどん自分の顔が険しくなるのが分かるけど止められない
「えーと…やっぱりこれって」
「…意図的に置いて行った、ってやつですかね」
担当さんが「参ったな」と頭を抱えた
「あの、そうするとこの子は?」
怒りで声も出ない俺の代わりに、相葉さんが聞きたい事を聞いてくれる
「保健所、しか…。里親を探すにしても、その間の預け先もありませんし」
「保健所…だと、アレ…ですよね」
今の俺の心中を読んだ相葉さんが言葉を濁す
濁そうが、濁さなかろうが意味なんて分かるに決まってるのに
「相葉さん」
怒りで声が少し震えた
「……かずの言いたい事は分かった。でもね」
「でもじゃない、連れて帰る。こいつ、うちの子にする!」
「いや、ちょっと待って、あのね」
「何?!相葉さん、見殺しにするつもり?!」
俺の頭の中の怒りが、相葉さんにも飛び火した瞬間だった
